自分には取り柄がない、、、
そう感じていた高校入学の春。
友人達に比べて、運動や成績が
特別秀でていなかった僕は
寮に先輩が持ち込んでいたであろう
フェルナンデス のエレキギターのカタログを
何も分からずパラパラめくっていた。
そこで出会ったのが、布袋寅泰氏の写真。
ライブでスポットライトを浴び
自身のモデルのギターを弾いていた。
これだ!
そこから親の仕送りを少しずつ貯めて、数ヶ月後
バンド雑誌の巻末の、エレキギター初心者セットを注文し
(今考えると、とても高級とは言えないものだ)
寮に届くとマズいだろうと
友人の下宿に届けてもらい、そこから坂道を運んで
寮の屋上の踊り場に運んだ。
そこから、日曜の限られた時間に
エレキギターをさわることが
僕の唯一の楽しみになった。
教えてくれる人もいないので
チューニングもよく分からず
しばらくして近くの楽器屋さんに買いにいった
ジュンスカイウォーカーズのTAB譜も
なんと2年近くは上下逆で読んでいたので
まったく音楽にならなかった。
だがしかし、それでも楽しかったし
その頃から根拠もなく
『僕はギターのプロになる。』
と思っていた。
何も弾けないのに、である。
思い込みというのは恐ろしい、笑
なぜかハウンドドッグのFF(フォルテシモ)の
楽譜も持っていた。
当然弾けないので持っていただけである。
チューニングも出来ず
バンドスコア を上下逆に読み
謎の音を鳴らし
バンドスコア に蛍光ペンで落書きをする事が
当時の僕の人生に加わった楽しみだった。